【体験談】借金で公正証書を作った結果…ただの不発弾だった

トラブル解決

目次

はじめに

「これは復讐ではない。真実の記録である」

この話は、私が詐欺被害に遭った記録です。
借金の督促をしていた私に対し、詐欺師から公正証書作成の提案がありました。
「借金を返済できない場合、強制執行を受けても異議ありません」
──そんな文言が盛り込まれた書類でした。
しかし、それにはまったく意味がなかった

その理由と経緯を、この記事にまとめました。

 

詐欺被害の経緯と北田昭一朗の特徴

国際パテント貿易(株)による著作権分割譲渡詐欺

2008年頃、北田昭一朗という当時40代の男が関与していた「著作権分割譲渡詐欺」が発生しました。内容は以下のようなものです。

  • 顔認証システムの著作権の一部を販売する
  • 顔認証システムの使用料が手に入る
  • 著作権は国際パテント貿易株式会社の三浦鉄夫が所有
  • 取締役の北田が主に営業活動を行い、一口100万円
  • 紹介者には30%の手数料(マルチ商法的構造)

何故、北田昭一朗を信用してしまったのか

北田は礼儀正しく、知的で博識。高級感ある喫茶店を商談の場に選び、人当たりも良く、仕事以外のプライベートな相談にも乗るなど、親しみやすさを演出していました。

特に京王プラザホテルのカフェを拠点にしていたことが印象的です。

※2008年当時のイメージ

 

北田昭一朗は多数の人物から借金(詐欺)をしていた

後になって分かったことですが、様々な理由で多方面から金銭を引き出していました。

「著作権の配当がもうすぐ出る」「弁護士費用を立て替えてほしい」などの言い訳を多用。

キャッシュカードやクレジットカードを預かって返さないといった被害例もあります。

 

北田の配下とマルチ商法的営業

当時、北田の下には穂刈(ホカリ)、連(ムラジ)、加持(カジ)といった配下が存在しました。
彼らもまた金に汚く、多数の金銭トラブルを起こしていました。

 

信用させるために公正証書を作成する

北田は返済を信用させるため、公正証書や借用書、確約書などの契約書類を積極的に作成していました。

しかし実際に守られた約束は一つもなく、書類は信用させるための道具に過ぎなかったのです。

 

北田昭一朗のその後

逃亡~逮捕にかけて

2011年頃には周囲が全て敵となり、借金と嘘を重ね続けて逃亡。

2013年には携帯電話を解約し、音信不通。

2016年10月に徳島県で加持と共に逮捕されました。

 

出所の時期と再犯可能性

詐欺罪の量刑目安は以下の通りです:

  • 執行猶予付き → 既に自由の身
  • 実刑(短期) → 2019~2021年頃出所
  • 実刑(重罪) → 2022~2025年頃出所

被害者への弁済は一切行われていません。

著作権譲渡詐欺を始めとする北田昭一朗による詐欺事件は、以前は掲示板で被害者のやり取りがありました。
今現在は検索でも引っかからない程、話題にされていません。

しかし北田は今もどこかで悪事を働いている可能性があります。
詐欺犯は出所後に同じ手口で再犯する率も高い(再犯率40%超と言われています。

北田やその仲間達は、今もどこかで同じ手口を使っている可能性があります。

 

法的書類による執行手段の限界

私が所有していたのは以下の4種の書類です:

  • 公正証書
  • 契約書
  • 借用書
  • 確約書

書類を交わしたのは平成21~23年頃にかけてです。
それぞれ見て行きましょう。

公正証書

「金銭債務を履行しない時は、直ちに強制執行を受けても異議なし」という強い文言が含まれます。

しかし、公正証書も10年で時効を迎えます

時効を延命(時効中断)するための手段があります。
時効中断の方法は以下の通り:

  • 内容証明郵便
  • 支払督促申立
  • 訴訟提起
手続き名 概要 費用目安
内容証明郵便 郵便局から3通送付 約1,000円(代行で+5,000円〜)
支払督促申立 簡易裁判所で申請 印紙代(請求額×0.5%)+郵便料
弁護士費用 交渉・訴訟対応 交渉のみで3~5万円、訴訟代行で10万円〜

 

契約書

返済期限付きの契約書に本人のパスポートコピーを添付。
誠実さを演出しています。
契約書の効力は「契約の証明」として永久ですが、請求権には10年の時効が発生します。

 

借用書

私文書による貸金契約の証拠となるものです。

商取引なら5年、個人間であれば10年で時効です。

 

確約書

債務の履行期限から起算し、10年(または5年)で時効です

 

法的書類の限界、まとめ

  • どんなに強力でも、10年で時効
  • 延命措置には費用と手間が必要
  • 強制執行も空振りに終わる可能性大
  • 契約書を書く人物が誠実とは限らない

強制執行のスイッチを握らされても、発射できない。
ミサイルの発射ボタンを渡されても、基地(銀行口座)は空っぽ、ミサイルは不発──。

相手はノーダメージ、こちらは手間も金も心にもダメージ。

こんな理不尽なことはありません。

実際、書類を交わしただけでは何も守れないのです。

「一筆書くから」と言われて油断してはいけません。
むしろ、その申し出自体が怪しいのです。
強力な武器を手渡されたことにより、信用・安心感を得るのが詐欺師の狙いです。
そもそも最初から返済する気などない事がわかります。

 

終わりに

法的書類の効力には限界があり、使いこなしたとしても十分に効果が出るとは限らないのです。
むしろ、金を借りる側や騙す側が綺麗に弁済する事はほぼありません。

「一筆書くから」、「キチンと書類を交わすから」と言われても、それ自体に左程の効力が無いのです。
また、詐欺師は「どうせ執行しないだろう」、「出来ないだろう」と分かっています。
ええ、ええ、その通りです。
私は出来ませんでした。

なので、私はここに記録を残します。

私のこの経験が、誰かの盾となれるように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました