どうも、ガーネーです。
昔味わった失恋の話を放流しようと思います。
誰に聞いて欲しいわけでもないような、誰かに見て欲しいような。
今思えばあり得ない、恥ずかしくて痛い話。
美談でも何でもない、ただの愚かな思い込み。
割とキモい話。
スカッとする話でもないし、オチがあるわけでもありません。
でも吐き出しておきたくなったので記しておきます。
当時の日記を抜粋しているので、かなり痛々しく
トリハダがたつ部分があると思います。
それでも興味がある方はお読みください。
ありがとうございます。
目次
ネトゲの舞台はPSO
時は2000年12月。SEGAのドリームキャストで発売されたゲーム、ファンタシースターオンライン(以下PSO)に夢中になっていた。
当時、オンラインゲームは一部のヘビーユーザーだけがプレイしていた。
リネージュやウルティマを勧められて少しやってみたのだが、コアなユーザーが多すぎて野蛮で酷い世界。新入りに優しくない、マウント取りまくる世界。
プレイヤーキルが横行し、全然肌に合わなかった。
しかしPSOはそんな世界とは違った。
家庭用ゲーム機のオンラインという事で、一般的な普通の層がオンラインゲームの世界に入って来た。
イキリオタク達がおらず、オンラインゲーム初心者達がドキドキワクワクしながら集まる空間だった。
みんな純粋にゲームを楽しくプレイをしていたので、とても素敵な仲間に思えた。
皆遠い所に住んでいるし、家庭用ゲーム機だからか年齢層も幅広い。
このゲームをやらなければ出会えなかったという、奇跡に感謝していた。
そんな楽しい仲間たちに会うために毎日ゲームに接続する。
当時はリアルの関係より、PSOの人間関係を重視していた。
肉体を超越し、心だけで仲良くなった仲間たち。
そんな特別感を持っていた。
そう考えていたのは、きっと私だけではなかったはず。
オンラインゲームがまだ浸透しきっていなかった当時は色んな所でリアルとネットの比重が崩れていた事だろう。
出会い
そんなある日に出会った、PSO仲間のお友達。
彼女の名前はrin@（通称：りんちゃん）
一緒に遊ぶのが楽しくて。
一緒にチャットしているだけでも楽しくて。
何気ないやりとりが楽しくて。
リアル友達が少ない私にとって、本当に理想的な仲の良い友達が出来た。
徐々にPSOというゲームの舞台は、その人に会うために潜るようになっていく。
冒険仲間、遊び仲間、友達。
しかもその中で、特別。
憧れに似た、恋心に似た何かを感じていた。
ある日、そんな彼女から相談を持ち掛けられた。
以前PSOの中で恋仲だった人物が諦めてくれないと言う話だ。
接続検索を続け、周囲の人に聞き込みをしたり未練話をしたり。
ネット上だけの恋人関係であったらしいが、ストーカー行為に近いものだった。
不安になっていた彼女を助けたい一心で、解決の道へと首を突っ込む。
元彼を呼んで間に入って3人で話し合うことにした。
私よりも年上の彼のいう事は女々しく、自分勝手なものに聞こえた。
rin@は嫌がっている。
それを理解し、大人になれと23歳の若造が言う。
上手く彼を説得する事に成功し、rin@を助ける事が出来た。
すさまじい満足感のようなものを得た気がする。
そしてrin@との距離がググっと縮まった。
恋人同士
事件の翌日、rin@に告白された。
なんとなく好きだという気持ちを抑えていたが、もう抑えなくてもいいんだ。
勘違いだろうからと気をそらしていたが、自分に嘘をつかなくてもいいんだ。
二人で大きな事件を乗り切ったことで、我慢していた何かが一線を越えた。
元カレと別れた翌日に新たな恋人となる自分に少しだけ罪悪感を感じたが、
自分の気持ちも抑えられない。
2001年7月末。
この日からrin@と恋人同士となった。
元カレからは私に代わって幸せにしてあげてくださいとメールが来た。
恋人同士となったが、二人の関係は恋人同士と呼ぶにはおかしい。
二人はお互いの顔も知らない。
（私の顔写真だけは送ったはず）
声も知らない。
（声優だから身バレするの防止のため電話してはいけないらしい）
苗字は知らない。
（事務所に安易に素性を明かしてはいけないと言われているらしい）
名前は聞いた。
（里奈と名乗った）
年齢は聞いた。
（この当時25歳と言った）
仕事は聞いた。
（岩男潤子が先輩だと言っていた）
お互いの住んでいる所も知らない。
（千葉に住んでいるらしい）
オーストラリアに永住する事が決まっている。
ゲームで毎日のように会える。
一緒にプレイしてチャットすることが出来る。
それだけで幸せだと思い込んでいた。
だから疑う事をしていなかった。
オーストラリアに永住が決まったという話も信じて疑っていなかった。
仕事の内容はやんわり、住所も苗字も教えてくれないし電話もさせてくれない。
許されているのはメールとゲームのやり取りだけ。
海外に永住になっても恋人同士なのは変わらない。
真実の愛とやらを貫く気満々だった当時の自分。
現実を見なさすぎて恐ろしい。
しばらくは平和に毎日一緒に遊んでいたが、オーストラリアに行く日取りが決まってからは
少し様子がおかしくなっていた。
仕事や私生活、恋人関係で悩んだのか里奈は自〇未遂をしてしまったという。
それは里奈の弟、トモに止められた。
この弟のトモもPSOユーザーで、何度か一緒に遊んだ事があった。
姉の彼氏である私の事をアニキと呼んでくれて、慕ってくれていた。
彼と一緒に里奈を支えて行こうと言う話になった。
会う事が出来ない私の代わりに頼むと。
そして、その日の日記。
恐れていたことがついに現実になった。里奈がオーストラリアに行く。
前から知っていたことだった。
覚悟はしていた。
しかし、辛かった。
悲しかった。
寂しかった。
それは里奈も同様だった。
お互い、その辛さに耐え切れず、俺は逢いたいと願った。
しかし、里奈は・・・。
辛さのあまり、自〇未遂をしてしまった。
俺はどうすることも出来ない自分を、無力な自分にイラだった。
言葉だけではダメだった。抱きしめてやりたかった。
しかし、実際あそこまで追い詰めたのは俺だったのかもしれない。
俺がもっとやさしく接していればあそこまではしなかったかもな。
トモさんに落ち着かせられ、また、トモさんも心配で泣いた。
俺は辛かったが涙は出なかった。
里奈の夢を壊すことも出来ない。
逢うことはできない。
里奈はもう自〇未遂はしないだろう。
当然そうでないと困る。
オーストラリアへの道も仕方のないことだ。
俺も覚悟を改めるべきだな。
里奈を笑って見送ってやらなければいけない。
里奈は帰ってくるといった。
俺はそれを待たねばならない。
辛い恋だ。
だが、この試練を乗り越えてこそ、俺の求めた
真実の愛が待っているのではないだろうか。
俺は今まで人を好きになったことはない。
だからこそわかる、この人を思う気持ちが。
俺は待つ。
ずっと待っているから、頑張ってね、里奈・・・。
そしていつか、迎えに来てね・・・。
その翌日の日記。
何もかも失ったようで、何をやっても楽しくない。
こんな感覚は久しぶりだ。休日がもったいないね。
気晴らしに何かをしても、つまらない。
俺の中で、里奈は８割か９割は占めていたんだな。
何も考えられない。
しかし、だからこそ俺はこの愛を貫きたい。
今までだってずっと求めてきたじゃないか。
真実の愛を。
距離は遠い。
しかし、生きていれば会える。
死に目に会った今ならわかる。
俺は待つよ、里奈。
そして、俺にも言い聞かせる必要がある。
時間がかかりそうだが、せっかく手に入れたこの愛を、
捨てることは出来ない。
思い出にしたくない。
これからも続けたいよ。
一生ね・・・。
それから暫くお互いに心の乱れも色々あったが、普通に接して普通に遊び、
時折不安になりながらも、本当に幸せな気持ちいっぱいの日々を送っていた。
里奈の夢が叶って仕事が上手く行ったら、結婚しよう。
結婚したら家も買って、幸せに暮らそう。
そう思って仕事もやる気が出ていた。
そして、2001年10月。
たった3ヶ月にも満たない恋人関係が終わりを告げる。
破局
私の事はなんとなく弟のような感じになってしまったという。
私はピュアな理想を貫き、真実の愛だと思っていた。
まだ顔も知らない、声も聞いた事も無い、フルネームも知らない相手だったが
彼女の都合と理想を優先し、私は待ち続けた。
今度は私が告白し、思いを伝えた。
振り向いてくれるまで待つ、夢が叶うまで待つそんな思いが重かったのか。
細かいセリフの内容は覚えていないが、かなりロミオだったと思う。
思いは叶うことなく、そのままフラれた。
悲しくて辛くて一睡もできず、動く事も出来なかった。
その時の日記。
嬉しい日があれば悲しい日もあるわけで。
生涯忘れないであろう、俺の失恋日。
そう、俺は里奈にフラれてしまったのだ。
それはもう狂いそうになった。
いや、狂っていたのかもしれない。
俺の愛が里奈の負担になっていたようだ。
予測はついていた。
俺も世間知らずだが、そういうところは敏感だと思う。
里奈と別れたくない一心で、色々話、説得をしたが、決意は固いようだ。
俺もそれは良く知っているよ。
永遠に別れるのはイヤだ。
だから友達同士で、ということになった。
しかし、男としてこれ以上打撃を受けるフラれかたはないよな。
しかも俺の場合、愛し合う恋人同士からだからな。
里奈に俺に対する恋愛感情はもうない。
チャンスもない。
もうここまで解ってしまったらしかたないよな。
納得いかないけど。
男女の愛よりも仕事の方が里奈の幸せというのであれば、個人として尊重してあげたい。
無理をしているようにも見えるのは、まだ俺が期待している証拠なのかもしれない。
これから暫くは片思いになる。
まだ俺は里奈を愛しているからだ。
沢山話をしているうちに、俺は一睡もすることなく出勤することとなった。
翌日、仕事には行ったが現場に出る前に止められ、病院に行って点滴を受ける羽目になった。
ここから1週間、拒食症のような感じになって無気力生活が始まる。
それでもPSOは辞められず、友人に戻った里奈と会ったり他の友達と遊んだりはしていた。
里奈の事で頭がいっぱいだが、修復不可能なのはわかっていた。
かと言って嫌いで別れたわけではないから目の前にいて一緒に遊んでいる。
これがもうホントにつらい。
憎もうとして憎んだこともあったが、憎み切れずに会ってしまう。
何も解決しないまま、傷つきながらも今の関係を続けてしまっていた。
何がいけなかったのだろう。
私に至らぬところがあったのだろうか。
こんな女々しい事を考えている自分が嫌になったのだろうか。
愛が重かったのだろうか。
それでも私は彼女優先でワガママも通さなかったのに。
この時、誰かが言っていた。
失恋の傷は時間が癒してくれる。
そんな事は信じる事が出来なかった。
こんなにすさまじく深い傷を負ってしまったのだから。
これが癒されるとは考えられない。
そんなのはウソだ。
これからもずっと、一生この痛みを抱えて生きていかねばならないのだと。
辛い。
悲しい。
何度も一人で泣いた。
そしてオーストラリア行きが決まっている2001年12月、驚愕の事実を知る。
驚愕の真実
里奈は浮気をしていた。
浮気相手はトモだった。
私の思考がバグったのを覚えている。
頭が真っ白になって、グチャグチャになった。
詳細な話の流れは覚えていないが、その時聞いた話は
・家が合気道の道場で、体の弱い里奈は後を継げない
・道場の後継ぎとして迎えられた養子がトモ
・義理の兄弟であり、血が繋がっていない
・トモは小さい頃から姉の里奈が好きだった
・私と恋仲になった事に嫉妬していた
・自〇未遂した時にトモは里奈に思いを打ち明け、里奈はそれに応えた
・両親には怒られたが、認めて貰っているという
こんな内容だった。
真実の愛とは一体何だったのか。
結局何にもわかっていなかった。
改めて考えると、本当に何もかもわかっていなかった。
顔も知らない。
声も知らない。
苗字は知らない。
名前は聞いた。本当かもわからない。
年齢は聞いた。本当かもわからない。
仕事は聞いた。本当かもわからない。
お互いの住んでいる所も知らない。
オーストラリアに永住する事が決まっている。
目に見えるのはカッコいいキャラ、可愛いキャラ。
外見や年齢がわからないず、見た目による妨害がない。
性格が合えば恋の錯覚に陥る。
聞いた年齢や名前が嘘か本当かもわからない。
ただ目の前にいるのは誰かが操っているキャラクターだと言う事だけ。
何だか気持ちがグチャグチャしていたが、トモから電話があった。
物凄く謝られた。
謝って済む問題ではなかったが。
もう修復不可能な関係だとはわかっていたし、怒りもあったが
心のどこかで諦めきれていなかったのだろう。
好きだったからなのか、自分が本気になった気持ちがもったいなかったからなのか。
何だかこの時の感情はよく覚えていない。
でもオーストラリアに旅立つ日までは連絡を取り合おうということにはなった。
因果応報
それから数日、里奈からは連絡が無かった。
こんなもんかなと諦めていたのだが、ある日1通のメールが入る。
風邪をひいて数日寝込んでいたが、菌が声帯に入って声が出せなくなった。
そのおかげで声優は辞めた。
私を騙し続けたバチが当たり、夢を失ったという。
そんな内容のメール。
里奈は私の夢と心を奪って壊した。
神はその報いとして本当に里奈の夢と声を奪ったのだろうか。
二人とも悲しい結果になったが、別に不幸になって欲しいとは思っていなかった。
その日初めて里奈と電話をした。
だが声が出ない里奈は、私の話を聞くだけしか出来なかった。
PSOを介し、私の電話で発した言葉はPSOからチャットで帰って来た。
そんな電話とチャットのやり取り。
私が初めて聞いた里奈の声はすすり泣くだけの声（音）だった。
あれだけ愛しく、聞きたかった里奈の声。
こんな最後にこんな形で聞くことになるとは。
そしていたたまれない気持ちのまま、別れの日がやってきた。
決別の日
出発の前日、トモから電話が来た。
明日の7時の便でオーストラリアに行くと。
ちょっと前までなら空港に行きたかったが、もうそこまでの関係でも思いも無かった。
今日こそ本当の意味での終わりだ。
私の里奈とトモへの想いは綺麗なものでなくなっていた。
そう、もう憎しみしかない。
当日の日記は恥ずかしくも痛ましい。
原文を一部修正して抜粋。
俺は結局弄ばれ、癒されることの無いまま終る。
愛した者の声も顔も知ること無いままに。
今生の別れではないと言っていた。
しかしもう終わりだよ、全て。
俺はお前ら二人のことを思い出なんぞにしたくはないし、考えたくも無いんだ。
だから憎むしかない。PSO友達は責めないでと言った。
できることなら俺もそうしたい。
でもできない。
それだけ私は本気だったのだから。
全て捨てられたのだ。
だから今でも捨てられると思う。この思いの全てを込め、捨てる為に奴ら家族の不幸を願う。
俺のこの愛が晴れるまで。
奴ら家族が報われませんように。
願わくば夢を全て失いますように。
俺の心と夢と愛を奪った奴らは更なる不幸が訪れますように。
壊れた俺の心はもう戻らない。
だから壊れてしまえ、お前らも。
俺の祈り、外国まで届け。
奴らを不幸にするためにな・・・。
毎晩でも祈るぞ。
さらば、俺の純愛。
そして里奈よ。
もう会うこともあるまい。さようなら、愚かな女よ。
傷心の輪廻
2001年12月。
すぐに結婚相談所に登録をする。
彼女が出来たらこの辛さを忘れることが出来る。
基本的にモテない私は結婚相談所に登録すれば、直ぐに彼女が出来ると思っていた。
しかし結婚相談所には理想的な女性はおらず、一人の出会いも無いまま退会。
35万も入会金をドブに捨てた。
会社の先輩と婚活パーティーに参加。
当時は婚活と言う言葉は無く、ねるとんパーティーと呼んでいた。
こちらの方が若い女性と出会いが多く、パーティーの後も遊べて楽しかったが、
正式な付き合いに発展する事はなかった。
合コンにも積極的に参加したし、先輩から女性を紹介して貰ったりもした。
だが新たな女性との出会いに心は震えなかった。
芽生えた憎しみの心が邪魔をするのか、傷心により恋する機能が壊れたのか。
「女と言うのはいつもこうだ」と、モテない自分を棚に上げて
自ら女性不信の殻に閉じこもってしまった。
立派な中二病患者の誕生である。
そうして1年が過ぎた、2002年の12月。
日記にはこう記されていた。
里奈と電話で話して１年がたった。
何も進展のない１年。
里奈は結局１年間帰ってくることはなかった。
いや、もうずっと帰っては来ない。
そんな事はとうの昔から知っていたのだがな・・・。
だが現実を目の当たりにすると、ブルーにもなる。
そしてＲＯやっても何もかもうまく行かず。
退屈で無駄な時間を過ごした。
雪が積もって寒い一日だった。
この雪は神様からのプレゼントだったのだろうか。
なんとも洒落たプレゼントだな。
綺麗だけど手に取るとすぐに解けて消えてしまう。
俺の持っていた愛そのもののようだ。
一瞬で消えてしまった愛。
俺の心の傷はまだ深く、一向に癒えやしない。
なんともすさまじいポエムだが、当時は本気。
傷口を愛でていたが、この時は既にラグナロクオンラインをプレイ。
またもやネットの向こうにいる子に恋焦がれていた。
里奈の時のように愛しているとは明言していないものの、
恋心はあった。
好きと言う感情もあった。
だが一線は引いていた。はず。
ラグナロクオンラインにおいてもそれなりに事件があった気がする。
この時の話はまた別の機会に。
真実の愛とかなんとか言いながら、日記を読み漁ると
定期的に気になる女性は周囲(?)にいた様子。
だがやっぱり実らない。
それをすべて過去のせいにしていた気がする。
なんとなく色んな人を好きになりながら、失恋を恐れて進展する事はなかった。
薄れていくキモチ
その後6年程務めたが、サラリーマンも辞めた。
何も変わらぬ日々に耐えられなかった。
恋愛に対する気持ちも、将来に対する気力もなかった。
何だか色々と薄れて行ったのだ。
女性への逆恨みは散り積もっていき、復讐と称してホストになった。
かと言って別に女性に酷い仕打ちをしたとか言うワケではない。
女性から不快感を被ったので、女性から利益を得てやろうとか、そんな小さな動機。
だがホスト生活ではそのような動機が吹き飛ぶほどの、人生観が変わる様々な出来事があった。
目まぐるしく変わった環境に適応するのが精いっぱいで、それでいて楽しく充実していた。
辛いこともあったけど、里奈を思い出して悶々とすることは無くなって行った。
幸せには遠かったが、心の闇に頼るようなことは無くなった。
そして失恋から10年くらい経ったある日の事。
きっかけは忘れたが、ふいに当時の仲間が懐かしくなって連絡を取った事があった。
その時、当時伏せられていた事実を更に知ることになる。
里奈は妊娠していたという話。
この時は既に、里奈に対する憎悪は無くなっていた。
ホストである程度発散されたのだろう。
おかげでショックは受けなかった。
まー、浮気してたんだからそれくらいあってもおかしくない、くらい。
しかし当時知っていたらどう狂ってしまっていたかわからない。
伏せてくれていた仲間には感謝しかない。
そして結局、その話も本当かどうかなんてわからない。
誰も里奈に会った事が無いのだから。
里奈と言う存在
今改めて思わなくても、普通に怪しい人物だった。
声優と言う人気職でアイドル扱い。
情報漏洩防止のため、素性を明かせない。
しかし応援はして欲しい。
フルネームも教えられない。
声も聞かせられない。
電話も出来ない。
写真も見せられない。
住んでいる所も明かせない。
参加作品も教えられない。
悪質なポイント制チャットサイト詐欺の内容にそっくりだ。
実際、里奈という女性が存在するかどうかも怪しい。
すすり泣く声？音？は確かに聞いた。
しかしそれが里奈本人であるかはおろか、女性である確証すらない。
トモと電話した際、里奈の歌ったカセットテープを送る事はできるとか、
電話先で流す事なら出来る言っていた気がする。
声が出なくなったというから、それくらいはやっても良かったのだろうか。
その時は無気力で断ってしまったので、その歌の存在すらもわからない。
トモの自作自演の可能性もある。
トモとは電話で会話したので、男性だという事はわかる。
トモ自身は実在する。
もしネカマだとしたら、それはそれで相手側のとても気持ち悪い黒歴史が誕生していただろう。
リアルな女性話や悩みをしたいたので、凄まじい設定のネカマである。
とは言え、当時は年上既婚者女性の仲間もそこそこ居たので
rin@=女性である事には違和感がなかったのではないだろうか。
それとも、当時はネカマと言う文化がまだ世に出回っていなかったので
皆騙されていた可能性もある。
里奈と言う人物の素性は明らかになっていない。
PSOのキャラグラフィックを見て偽りの印象を獲得。
キャラクターから中の人物を自分好みに都合よく想像し、
その何者かわからない人物に恋をしていたという事になる。
ひょっとしたら、本当に25歳の声優だったのかもしれない。
ひょっとしたら、トモ本人によるネカマだったのかもしれない。
ひょっとしたら、年齢を偽った女性だったのかもしれない。
ただ、里奈と言う存在があって、それに恋をした事だけが事実なのだ。
真実を知る事はできない。
真実を知っているのは、トモとrin@だけなのだ。
呪縛からの解放
現在の私は素晴らしい出会いがあり、結婚する事が出来た。
捻くれた私が普通の結婚生活など出来るはずもないと拒絶していた。
妻は私を諦めてくれなかった。
妻には感謝してもしきれない。
そんな妻を私も手放したくなくなり、結婚する事ができた。
とても可愛い娘も授かった。
最愛の妻に最愛の娘。
毎日が本当に幸せだ。
あの時、里奈に出会って傷つかなければここに辿り着く事はできなかった。
あの時、サラリーマン生活を辞めなければここに辿り着けなかった。
あの時、ホスト生活を経験していなければここに辿り着けなかった。
その後、やさぐれた生活をしていなければ妻に出会えなかった。
当時、結婚したら理想的な幸せな家庭を築きたいと思っていた。
今、正にその幸せな生活を満喫することが出来ている。
いつか誰かから言われた「時間が解決する」は事実だった。
時の流れは里奈の事をどうでもよくしていた。
だが里奈の事は心の隅で恨んでいただろう。
不幸のネタをすべて里奈のせいにしていただろう。
私が幸せになる事で、私の心から里奈に対するこだわりが完全に消えた。
これにて私は呪いから解放されたのだ。
今回、この話を公開しようと思ったのは、本当にただの気まぐれ。
なんとなく思い出した。
何をきっかけに思い出したのかもわからない。
でもせっかくなので、過去の日記を引っ張り出した。
ひょっとしたら昔の仲間の目に届く事があるかもしれない。
ひょっとしたら、トモや里奈の目に届く事があるかもしれない。
そんな期待が無いこともないが、だからと言って何するももでもない。
現在、里奈の事は心底どうでもいい。
私が幸せになる事で復讐しようと思った事もあった。
しかしもうどうでもいいのだ。
里奈が不幸になっていようが、幸せになっていようがどうでもいいのだ。
ただ、里奈には感謝している。
今、この幸せに辿り着いたのはあの事件があったからだ。
このルートこそがトゥルーエンドだったのだ。
その為に必要なイベントだとしたら仕方がない。
里奈以外の事でも散々な目に遭ってきたが、今ではそのすべてに感謝をしている。
許してもいないが。
最後に
最初に言った通り、特にオチも無ければスカッとする話でもありません。
ちょっと考える事があった、とか
似てる事があった、とか
うわぁこいつバカだキモイｗｗｗ、とか
私のこんなネタが何らかの感情で楽しんで頂けたり、貶して頂けたら幸せに思います。
何か思う事があれば、お気軽にコメントください。
叩けばまだ変な話が出てくるかもしれません。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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