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【第0章】借金生活の始まり:サラリーマンを辞めた日から全てが変わった
サラリーマンを辞めた、それが始まりだった
今振り返ってみれば、借金生活の第一歩は、サラリーマンを辞めたところから始まっていました。
当時勤めていたのは、東証一部上場の大企業。
会社としては安定していましたが、私はずっと平社員のまま。
やり甲斐も特になく、どんどん仕事がつまらなくなってきました。
このまま会社と寮を往復して、ただ老けていく。
そう思ったとき、未来がまったく見えなくなりました。
このままではいけないという、ふわっとした思いだけはありました。
そして、このままの人生ではいけないと思い、逃げるように会社を辞めました。
「自由になりたい」という思いだけで。何の目的もなく、準備もせずに。
でも、後になって気づきました。
飼いならされていた方が、実は楽だったんだなって。
初めての一人暮らし、そしてフリーター生活へ
寮を出て、一人暮らしが始まりました。
正社員じゃない、保険もない、収入も不安定。
想像以上に、生活にはお金がかかりました。
寮生活だった頃は家賃が2万を切っていました。
光熱費もタダで、風呂は24時間いつでも入りたい放題。
洗濯機と乾燥機も自由に使える。
掃除も6畳一間である自分の部屋掃除だけでいい。
自由と言うのは金がかかるもんなんだなと実感しました。
社会保険、源泉徴収がどれだけ楽だったことか。
保険料や税金を自分で管理するということが、こんなに大変だとは思っていませんでした。
金銭感覚は完全に甘かったのだと思います。
しかし、現実を見ても「お金の勉強」をしようとはしませんでした。
貯金の減りが早すぎる現実
退職金や貯金があったので、しばらくは何とかなっていました。
でも、収入がないと貯金の減りはものすごく早い。
管理されていた寮生生活、社員時代。
今思うと、無駄遣いしなければ給料は半分以上が貯金できました。
社員時代は貯金のボーナスタイムでした。
若干の不安から軽いアルバイトを始めましたが、赤字生活。
収入は必要最低限すら守られておらず、貯金がある事に胡坐をかいていました。
金銭感覚が整っていない状態で一人暮らしを始め、見る見るうちに貯金が溶けました。
徐々に、将来を守るための力が削れていき、
未来がどんどん不安で真っ暗になっていきました。
楽して稼げる道を探して
そんな中で、「なんとか一発逆転できないか」と思うようになります。
正直、サラリーマンのようにコツコツ働くのはもう嫌だった。
「もし稼ぐなら、大きく稼がなきゃ意味がない」と思っていました。
今考えれば、完全に勘違いしてました。
能力も経験もないくせに、大きく稼げるはずがない。
でもその時の私は、甘い言葉に乗せられて、
ネットワークビジネス、情報商材、怪しい副業に手を出しました。
自分はこれが天職だと、勘違いしていました。
勧誘するタイプの副業は、売り上げをあげる為にそういう気持ちにさせるのでしょう。
まんまと罠にはまりました。
私はいいカモだったと思います。
やっているつもりでも、金は減る一方
恐ろしい事に、ネットワークビジネスは行動すればするほど金がかかります。
アポを取って、商談(?)をして。
そこにかかるのは、喫茶店代に交通費。
実にならなければ減っていく一方です。
それなりに「やってる感」はありました。
「自分は動いてる、努力してる」と思い込んでました。
でも、気づいたら手元にお金はほとんど残っていない。
結果が出なければ金は入ってこない。
夢ばかり見て。気持ちばかりが焦って、イライラして、
タバコもビールもやめられない。
ストレスを消すためにまた出費して、
お金を増やしたくて始めたはずなのに、どんどんお金が消えていく。
そしてお金が無くなって、焦る。
せめて、お金があった元の状態に、スタートラインに戻すために
一気に元を取ろうとし、情報商材に手を出していく。
そしてまた金がかかり、成果が出ず、結果的に金だけが減っていく。
本当はちょっと気付いていました。
自分は大きな成果を出せない事に。
夢を叶えるほど大きな成果を出せない事を知りつつ、大した事を考えずに夢見ている時間が心地よかったのです。
そのまま惰性をむさぼり、負のスパイラルと言うものにハマっていきます。
落ちていく日々の中で、最後の一線を越えた
そのうち、家賃や国民健康保険を滞納するようになり、友人に借金するようになりました。
アルバイトをしていましたが、出費に追いつかず、払わなければならないものが払いきれない。
そしてついに銀行口座が差し押さえられました。
絶望という現実が、一気に襲ってきました。
それでも私は何とか働こうと、低時給の飲食店バイトを掛け持ちしました。
アルバイトの掛け持ちで人生終わってたまるかと言う気持ちがありました。
しかし、起死回生を狙って始めたことはどれも空回り。
出費だけが残って、またマイナス。
負のスパイラルが地獄の無限ループになっていきます。
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この頃はまだ、私は「本気でやり直す覚悟」ができていなかったんだと思います。
「いつかうまくいくだろう」「そのうち何とかなる」――
そんな甘さが、全部をダメにしていたんです。
でも、ある日。
「本気で、何かを変えなければ終わる」と、ようやく思い知りました。
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